みかん。の日記

東京宝塚劇場　雪組公演　

「ソロモンの指輪」「マリポーサの花」

を火曜日に観劇してきました。

ショー３０分　　芝居１２０分　という異例の公演。

まずショーの「ソロモンの指輪」

伝説の王・ソロモンが持っていた魔法の指輪をモチーフに展開する。

全体的に退廃的で妖艶な雰囲気。演者の表情が怪しげなのがいい。

３０分と実際短いのですが、本当にあっという間でした。

なんか不思議な夢でも見ていたような感じのショーでした。

独特の世界観があって、永遠にここから抜けられないラビリンスのような・・・。

幕が下りた後、会場にどよめきが・・・。


続いて「マリポーサの花」

背景は南米の小国。革命後、独裁政権を樹立した軍部出身の大統領による悪政。

民衆の不満は頂点に達しようとしている。革命側にいた主人公も鬱々とした思いを抱えながら

何か少しでも自分にできる何かをしようとしている。

そんな中、協力者となる農場経営者と出会い、その娘に運命を感じる。

そして、その愛の為にまた闘争の中に身を投じていく・・・武力でおさえつける愚かさ、空しさをわかっていながらも。

主人公演じる　水夏希　演じるネロ。骨太な男くさい漢！アウトローでいながら正義感があり純粋。

水夏希は現代ものがスーツがよく似合う・・・細かい仕草も男性にしか見えません！

水夏希と友人役の彩吹真央の息の合ったかけあい。革命に身を投じる音月桂の静かなる狂気。

それぞれの闘争にいたってしまった心理のひだが丁寧に緊張感いっぱいに演じられていました。

戦いが決して正義ではないと知りながらも、それに身を投じざるを得ない悲しさ。

時代の大きなうねりに飲み込まれていく人間達。とても切なくなりました。

自分がもしこの立場の人間であったなら、この波にやはり飲み込まれてしまうかもしれない。

それほどの貧困や不条理を抱えていたなら・・・

声高に戦争反対！とうたってはいないのですが、平和とは？幸せとは？と考えさせられました。

会場にはやはり男性客がいつもより多かったです。

いわゆる宝塚らしい作品ではないので、男性に受け入れられやすそうですね。

ちょっとびっくりする位、ハードボイルドでしたもん。

ミュージカルだけどストリートプレイみたいな感じです。華やかなのも好きなので雰囲気を壊さない程度に

もう少しダンスシーンがほしいな～と思ってしまいました。